バッテリの改造
本ページ内における各種表記は 2002 年 12 月現在のものです。
購入直後には 1 時間 30 分ほど動作した VAIO C1、505 系の標準バッテリである PCGA-BP51/A。
ところが購入 1 年後には 1 時間、2 年後には 30 分とどんどん動作時間が短くなっていき、
しまいには 「AC アダプタをはずして 2、3 分も経たない内に電源が落ちる」 という、
全くもって使い物にならない状態になってしまったのでした。
この劣化したバッテリを、セルを外付けとした駆動時間 10 時間の超大型バッテリとして改造します。
警告
以下の操作を行なって何らかの不具合が生じた場合、故障修理はメーカ保証対象外となります。
本コンテンツをご覧になった結果として生じたいかなる事象についても、コンテンツ作者は責任を負いません。
超大容量バッテリパックを作る
1. バッテリパックを分解する
バッテリパックの接合面にマイナスドライバを突っ込んでこじ開けます。
写真からは分かりにくいですが、コネクタのある側には制御基盤があるので深くまでドライバを突っ込まないように
(最初このことに気が付かなくて基板上のチップの足を引っかいてしまい、再度半田付けするのに苦労しました (^^;) )。
ちなみにバッテリパックの外装は接着剤 + 爪で強固にくっついていますので、多少の損壊は気にしない度胸 (笑) が必要です。
2. 制御基盤からバッテリセルをはずす
半田ごてを使用してバッテリセルから伸びている端子を制御基盤からはずします。
なお、とりはずしたバッテリセルは危険物ですので処分時はご注意を…
(もっとも、ここ大阪では充電池どころか小径の鍋さえも 「燃えるゴミ」 として出せるのです〜。
さすが摂氏 1,400 度の焼却炉は違うなぁ…って、本当にこれでいいのかぁ !?)。
ちなみにこのバッテリセルは SONY 製 US18650GR G3P (1,800mAh 3.7V) です。
3 本のバッテリセルを直列につなぎ 1,800mAh 11.1V としているわけです。
3. 外付け用のバッテリセルを確保する
外付け用のリチウムイオンバッテリセルを用意します。
…とはいっても、リチウムイオン電池は非常に危険なため
(充放電電圧、電流値等にかなり厳しい要求があるそうです)
単体のバッテリセルは市場に出回っていません。
既存のバッテリパックを分解して取り出すことになります。
僕は、富士通製 Li-ion バッテリパック FM-21 (商品番号 0643780) を使用しました。
普通に買うと \15,500 するそうなんですが…大阪・日本橋に残る数少ない電子部品店の一つ、
共立電子の店舗 「デジット」
にてなんと単価 \980 で売られているのを発見。4 つ購入しました。
円筒形のリチウムイオンバッテリセルが 6 本出てきました。…でも形は VAIO C1 の物とは異なりますので、そのまま交換は出来ません。
中身のセル Panasonic CGR17670HC (1,250mAh 3.6V) は現在のモデルの一つ前の物であることから、どうも型落ちで流れてきたもののようです
(秋葉原の 「若松通商」 でも全く同一のバッテリパックが \980 で売られていたようですので、間違いないでしょう)。
こちらは中身のバッテリセルさえ取り出せればいいので別に適当に扱っても大丈夫…と言いたい所ですが、
実は後で制御基盤を使用するので丁寧に扱っておきます。
4. 外付けバッテリセルを組み上げる
外付けバッテリセルを組み上げ、導線を取り付けます。端子間のショートに注意
(実はドライバを誤って接触させてしまい、火花が飛びました (^^;) )。
僕の場合は利便性を考えて途中に 125V 3A のコネクタを付けました。ショート防止のため、こちら側がオスですね。これは後で役に立つことになります。
なお、電圧監視用の線を含めて合計 4 つの端子が必要となります
(FM-21 の基盤には GND 側から順に VG、VL、VM、VH の刻印がありました)。
24 本のバッテリパックを並列に 8 本、それを直列に 3 セット繋ぐことで 10,000mAh 10.8V のバッテリとなります。
5. 制御基盤から導線を引き出す
次に、VAIO のバッテリ側の制御基盤に導線を付け、バッテリパックに適当に穴をあけて導線を引き出します。
…と文章で書くのは簡単ですが、せっかくのバッテリパックの外装に穴をあけるのは後ろめたいですよね〜。
VAIO ユーザの場合、僕もそうですが筐体のデザインが気に入って買っている人も多いわけですし…
(まあ、こんな改造しようと企てる VAIO ユーザはそう沢山はいないでしょうけど…)。
…で、色々見回していた所、どうやら傷防止用のゴム足をはずせるらしいことを発見。
写真の位置 (バッテリパックの両端) のゴム足を外側からドライバなどで押し込むと、すぽっと外れてくれました。
再装着も接着剤さえあれば可能だと思われるので、一安心です。
念のため、元々ゴム足があった位置の付近に衝撃吸収用スポンジを貼り付けます。これは東急ハンズにて入手。
さて、導線を引き出す穴が見つかった所で配線を行い、バッテリセル側と同様にコネクタをつけておきます。当然こちらはメス。
6. 制御基盤とバッテリセルを接続、ケースを製作
あとは制御基盤から出ているメスコネクタに、バッテリセルから出ているオスコネクタを接続して機構上は完成。
ケースは塩ビの板でも買ってきて DIY しちゃってください。
これまた東急ハンズにて入手。
せっかくなので超大容量バッテリに名前を付けてみました。"GOLIATH"。
旧約聖書に出てくる巨人の名で、一般に巨大な物の名称としても使用されるようなので採用決定 (笑)。
ラテン語だと 「ゴリアテ」、英語読みすると 「ゴライアス」 です
(…実は某ジブリ作品の空中戦艦の名から取ったんですけど・笑)。
さらに無意味なことに、 Li-ion リサイクルマークまでつけてあります (^-^;
さあ、あとは VAIO 本体に接続してちゃんと動けばいいのですが…。